シックハウス業務
シックハウスの概略
はじめに
現在、私たちの住まいは、集合住宅化が進み、気密性・断熱性が向上し、建築材料や家具においては、合板、プラステック、ビニールクロス、接着剤、塗料等が使用されています。
また、省エネ対策として、エアコンをつけて窓を閉め切る状態が多いため、換気不足となりがちです。
昔の住まいに比べ、四季の影響を受けない快適な住環境となりましたが、その反面、使用される化学物質が多種多量となり、その成分が低減されにくい住環境となりました。
シックハウス症候群とは
新築・改修後の住宅やビルにおいて、化学物質の影響により、室内に入ると目の痛みや頭痛、吐き気等様々な体調不良を訴える症状を総称して「シックハウス症候群」といいます。
特徴として、症状が多様で、個人差が大きいことが挙げられます。
現在、厚生労働省で指針値が定められている化学物質は13項目ありますが、測定対象として一般に広く用いられているのは、ホルムアルヒド及びトルエン・キシレン・エチルベンゼン・スチレン・パラジクロロべンゼンの揮発性有機化合物(VOC : Volatile Organic Compounds)の6項目です。
主な人体への影響、主な使用材料は下記のとおりです。
項 目 | 主な人体への影響 | 主な使用材料 |
ホルムアルデヒド | 目の痛み、喉の痛み、頭痛、 嗅覚の鈍化 |
防菌・防カビ材、接着剤、合板等 |
トルエン | 疲労、めまい、体力減退、不眠、 呼吸器疾患の悪化(特に喘息) |
シンナー、塗料、接着剤、ラッカー等 |
キシレン | 目、鼻、喉を刺激し、 バランス感覚を失わせる |
塗料、接着剤、芳香剤、油性ペイント等 |
エチルベンゼン | 目や皮膚への刺激、咳、 めまい、 皮膚の乾燥、皮膚炎 |
塗料、接着剤、スチレン合成中間体 |
スチレン | 粘膜の炎症、中枢神経抑制作用 | 接着剤、断熱材、スチレン畳、 スチレンプラスティック |
パラジクロロベンゼン | めまい、頭痛、腎炎、発がん性 | 防臭剤、防虫剤 |
室内空気環境測定
「室内空気中化学物質の採取方法と測定方法(厚生労働省)」