アスベスト業務
アスベストの概略
アスベストとは
アスベスト(石綿)とは、天然に産する鉱物群のうちで、高い抗張力と柔軟性をもつ絹糸状光沢のある特異な繊維状集合を成すものの俗称です。従って、鉱物学上の分類にはアスベストという名称は使われていません。
繊維状集合を呈する鉱物であるアスベストは、6種類に分類されます。
石族の種類 | 原鉱物の種類 | 工業上の一般名 |
蛇紋(じゃもん)石族 | Chrysotile(クリソタイル) | クリソタイル、温石綿、白石綿 |
角閃(かくせん)石族 | Cummingtonite-grunerite Series (カミングトン閃石-グリュネル閃石系) |
アモサイト、茶石綿 |
Riebeckite(リーベック閃石) | クロシドライト、青石綿 | |
Anthophylite(直閃石) | アンソフィライト、直閃石綿 | |
Tremolite-actinolite Series (透角閃石-透縁閃石系) |
トレモライト、透角閃石綿 | |
アクチノライト、陽起石綿 |
従来は、クリソタイル、アモサイト、クロシドライトの3種しか日本では使用されていないとされてきましたが、近年、アンソフィライト、トレモライト、アクチノライトの使用も確認されています。
アスベストの特性及び使用用途
アスベストの特性は、種類により程度は異なるが、①耐熱性 ②引張りや曲げに強い ③耐薬性 ④耐久性 ⑤熱絶縁性 ⑥磨耗性 ⑦防音性 等に優れています。
これらの特性を活かして工業原料として多岐に渡り使用され、その製品は、生活領域の隅々まで及んでいます。
その約9割が建材製品として、壁、天井、梁等に直接吹付けられたり、床材、天井材、防火材としてスレート板やセメント板として使用されてきました。
アスベストによる毒性障害/健康影響
アスベストは非常に小さい繊維状粒子のため、口や鼻で吸込んだものが鼻腔や口腔で捕らえきれず肺の奥に運ばれ、一部は肺胞に付着します。
アスベストばく露との関連が確認されている疾患などの健康影響として、石綿肺、肺がん、中皮腫等が言われています。これらはいずれも10年~50年の潜伏期間があるとされています。
空気中のアスベスト調査
総繊維濃度計数分析
アスベスト繊維濃度の計数分析
「空気中の繊維状粒子の測定方法(JIS K 3850-1)」
建材中ののアスベスト含有率測定
「建材製品中のアスベスト含有率測定方法(JIS A 1481)」